大阪私立学校人権教育
研究会について
創設
1965(昭和40)年、日本の歴史経過の中で存在し続けた部落差別の問題に対し「同和対策審議会答申」が示され、解消への取り組みを国民課題として、大阪府でも行政での具体的課題としての対応が必要になりました。この当時の大阪では、高校生の2人に1人が私学で学んでいた時代です。高校生急増期における学校収容の問題と地区生徒の教育対策を研究する活動が求められ、大阪府教育文化課(現 大阪府教育庁私学課)の要請により、大阪私立中学校高等学校連合会と、大阪府私立小学校連合会に属する、大阪府内でのすべての私学で構成される、大阪府私学振興教育研究所の附置機関として、1969(昭和44)年に大阪府私立学校同和教育研究会を創設し研究活動をスタートさせました。
活動の活性化と50年間の歩み
スタートは、校長会のもとでの組織として5つの校長部会で構成されていました。各部会ごとに代表専門委員が互選され、その専門委員を中心に認識の積み重ねを目的に教職員研修がすすめられていました。その後、「日々に子どもと向かい合う実践交流」が求められ、それぞれの通学沿線の地域ブロックによる部会活動が1971(昭和46)年に始められ、常駐する指導員と専従事務職員とによる事務局の体制も整えられました。さらに、それぞれの活動内容の前進と深まりを求めることから、時期時期での課題をとらえつつ、課題別研究委員会も置かれ、相互作用による活動が続けられてきています。
50年間の活動を通じて見られる状況は、私学はそれぞれ個別の建学の精神をもっての教育活動を特色としています。同時に公教育としての側面を果たす役割から、共生でのバランスをとらえた取り組みを行っています。各校での主体性と各部会活動での特色をそれぞれに維持しながら、月例での役員会および年度初めと終わりを定例とする総会で、大阪府全私学での連携による活動が続けられています。「国際化」・「多文化」・「情報化」が時代のキーワードとされる中で、ちがいの存在を確認しつつ共生を模索する時期に入っています。多面・多様化する「人権教育」への取り組みを具体的にどうすすめるのか、これまでの活動でそれぞれに提起された課題をチェックしつつ、実践に臨んでいます。